高校受験において、内申点はとても重要な位置を占めています。
高校入試を勝ち抜くためにも、1点でも高い内申点を確保しておきたいですよね。
でもよく、「国語や数学などの主要教科は内申が取れるのに、副教科の内申が取れない」という話を耳にします。
これってどういうことなのでしょうか?
かくいう私の息子も、初めのうちは副教科の内申確保に苦戦していました。
中1の学年末では、5教科がオール5なのに副教科はオール3。
素内申は37、 換算内申は49。
オール5の受験生ばかりが受験するいわゆる都立トップ校を第1志望にしていたので、このまま中3になってしまっては、内申のせいで不合格一直線の危機でした💦
そこで本人なりに努力と試行錯誤を続けた結果、中学2年生からは副教科の内申の5UPに成功!
見事第1志望の、某都立進学指導重点校に合格することができました(*^^*)
この記事では副教科の内申の上げ方のポイントを、私の息子の実践例も交えながら具体的に解説します。
「副教科が得意じゃないから」
「頑張っても内申上がらないから」
という悩みをお持ちのあなたも、この記事を読めば副教科の内申点を上げるコツがきっと見つかるはずです!
一緒に頑張っていきましょう(*^^*)
目次
高校入試では副教科の内申を上げるのが重要と言われる理由
高校入試において、副教科の内申点を獲得することが重要だとよく言われていますよね。
それはなぜかというと、都立高校の入試に加え国立附属高校や私立高校の入試においても内申点が非常に大きく影響するからです。
では、具体的にどういうことなのか、それぞれ解説していきます。
都立高校の一般入試では副教科の内申点がカギになる
都立高校では、推薦入試と一般入試の2つの方法で入試が行われます。
推薦入試では内申の比重が高く、学校によっては当日点との比重が5:5を超えることも。
一方、一般入試においての当日点との割合は3:7と、推薦入試に比べると当日点の比重が高くなっています。
一般入試の方が内申点の比重が低いとはいえ、入試点の3割ほどを内申点が占めることを考えると、できるだけ高い内申点を確保しておいた方がよいでしょう。
そして一般入試においてカギとなるのが、副教科の内申点です。
なぜなら、都立高校の一般入試では、副教科の内申点が2倍換算されるからです。
都立高校の入試については下記記事で詳しく説明しています!
たとえば、5教科がオール5、副教科がオール3の生徒Aと5教科がオール3、副教科がオール5の生徒Bの二人がいた場合。
生徒Aの内申点は37、生徒Bの内申点は35となります。
ところが副教科を2倍にすると、
生徒Aの内申は49、生徒Bの内申は55と、逆転現象が起きてしまいます。
この点数を300点満点の内申の入試点数に換算すると、
生徒Aは226点、生徒Bは253点。
なんと入試開始時点で、生徒Aは29点のハンデを持っていることになるのです。
たった29点、されど29点。
特に5教科全て共通問題を使用する小山台高校、三田高校、駒場高校、竹早高校などの共通問題上位校は当日のテストの点数で差が付きにくいので、29点のハンデはかなり不利となります。
希望の高校に合格するためにも、内申点の確保は非常に重要と言えるでしょう。
国立附属高校では中学3年間の内申点が必要となる
筑波大附属、お茶の水女子大付属、学芸大附属などの国立大学附属高校では、中1から中3の2学期までの内申点が入試に使われます。
それぞれの学校で入試における内申点の比率を全く公開していないので、具体的にどのくらいの内申点が必要かはわかりません。
ただ、受験する生徒はオール5に近い成績を持つ子が多い傾向にあるので、国立大附属を狙う場合は中1からしっかり高内申を維持することが大切です。
また、噂レベルなので本当かどうかは定かではありませんが、
- 実技教科の成績を重視する
- 副教科の内申点しか見ない
といった学校もあると言われています。
そのため、特に副教科の内申点を上げることは必須事項と言えるでしょう。
私立高校でも推薦・併願優遇で内申点が重要
私立高校の入試には内申点なんて関係ないと思われるかもしれませんが、推薦や併願優遇利用の入試を受験する場合は重要です。
併願優遇とは、私立高校が設けた基準に達した生徒に対し合格する可能性を高めてくれる代わりに、志望校に落ちた時は必ず入学することを約束する制度のことです。
埼玉県でも「併願確約」という制度がありますが、東京の併願優遇との違いは、絶対に合格できるか、落ちる可能性もあるか、というところです。
とはいえ、併願優遇制度を利用すれば、一部の高校を除き合格はほぼ確実!
そのため、特に都立高校を受験する場合は抑えとして併願優遇の高校を受験するのが鉄板となっています。
併願優遇を利用できるかどうかは、中学3年間の出席日数や内申点でほぼ決定します。
内申が1点、2点足りない場合は英検・漢検などの加点で基準を満たせる場合は、一部の学校では模試の成績で優遇してくれることも。
併願優遇は実施しているかどうかや基準などが学校ごと異なるので、調べておくことをおすすめします。
併願優遇の基準は毎年変わるため、希望の高校を見つけたら学校のHPで入試の募集要項を確認しておきましょう。
教科別:副教科の内申を上げるのにつながる評価基準は?
主要教科を含めた内申点の上げ方については、こちらの記事でも解説しています。
ここでは、副教科に特化した評価基準をご紹介します。
各教科に共通する評価観点
まず各教科に共通する評価観点についてお話します。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
知識・技能とは、知識の理解度や技術の習熟度を図る観点のことです。
定期テストでの理解度や作品の製作などの実技などがこれに当たります。
思考・判断・表現は、表現力や創造力、課題が発生した時の問題解決能力や論理的思考能力です。
作品のオリジナリティや創造性、失敗した時の工夫や、どうしたらもっといいものが作れるかの分析、といったことが含まれます。
主体的に学習に取り組む態度は昔の「意欲・関心」に当たる部分で、いわゆる授業態度のことです。
知識や技能の能力が高くても、授業態度が不真面目だと大きく減点されてしまいます。
実技教科は主要教科とくらべ定期テストの回数が少ないため、その分定期テストよりも普段の授業態度が評価に大きく関わります。
また、提出物の評価も重要なので、締め切りに間に合うように提出するのはもちろん、
- 字を丁寧に書く
- 内容を充実させる
など、ただ出すだけでなく質にもこだわりましょう。
音楽の評価基準
音楽では共通の評価に加え、下記について評価されます。
- 楽譜の読み書き
- 楽器の演奏や歌唱
- 音楽表現や創造性
- 芸術鑑賞などの感想の評価
美術の評価基準
美術では共通の評価に加え、下記について評価されます。
- デッサン・配色・絵のデザインや構成
- 作品のオリジナリティや創造力、表現力
- 芸術鑑賞などの感想の評価
技術・家庭科の評価基準
技術・家庭科では共通の評価に加え、下記について評価されます。
- 技術や知識の習得
- 技能の習熟度
- 作品の完成度や創意工夫
保健・体育の評価基準
保健・体育では共通の評価に加え、下記について評価されます。
- 運動能力やスポーツの技能
- 周りの生徒との協調性
- 授業への積極性
これで完璧!副教科の内申を上げる効果的な教科別対策法
それぞれの教科の評価基準について分かったところで、教科別に具体的な対策方法をご紹介します。
「頑張っているつもりなのに副教科の成績が上がらない」という人は、下記の項目について実行できているかをチェックしてみましょう。
音楽
音楽は、よくピアノを習っていると有利と言われていますよね。
実際、楽譜の読み書きや演奏といった場面で有利に働くのは事実です。
でも、ピアノを習っていなくても5を取ることは可能なので安心してください。
「ピアノを習っていないから音楽の成績が上がらない」と悩んでいる方は、
以下に挙げる音楽の基本を抑えておくことをおすすめします。
楽譜の読み方・書き方を覚える
ト音記号やヘ音記号、音符、休符などの記号の意味をしっかり理解し、楽譜の読み書きができるようにしましょう。
覚えるのが苦手な場合は、インターネットなどで好きな歌の楽譜をダウンロードして覚えるとモチベーションのアップにつながり、頭に残りやすくなるのでおすすめです。
楽器の名前や演奏スタイルを覚える
定期テストでは、楽器の名称や演奏スタイルについての問題が良く出されます。
楽器は教科書や授業で習ったものについて問われることが多いので、しっかり覚えておきましょう。
また、
- オーケストラや弦楽四重奏とはどういった演奏スタイルなのか
- これらの演奏スタイルではどんな楽器を使うのか
といった問題もよく問われるので、覚えておくといいでしょう。
音楽家の名前や楽曲や音楽史を覚える
ベートーヴェンやバッハ、ショパンなど、有名な音楽家の名前や楽曲はテストで出やすいので覚えておきましょう。
また、バロック派、古典派など音楽史にまつわる問題が出ることもあります。
一見難しそうですが、歴史のようにストーリーで覚えると覚えやすいので、試してみてください。
授業では積極的に取り組む姿を見せる
音楽の授業では楽器の演奏や歌の技能テストが実施されますが、歌や演奏技能に自信がない場合でも大丈夫。
先生は授業内で、生徒が積極的に取り組んでいるのかどうかを評価してくれます。
- 演奏や歌の練習を真面目にやる
- 歌のテストでは下手でも大きな声で堂々と歌う
- 芸術鑑賞の感想を丁寧に書く
上記のように主体的に取り組むことを意識すると、先生からの評価が上がり成績アップにつながります。
また、
- うまく演奏できない
- うまく歌えない
という時は先生にアドバイスを求め、アドバイス通りに実行するとやる気があるとみなされるのでおすすめですよ。
美術
美術の試験では、
- 色や表現技法
- 作品名や作者名
などの問題が問われることが多いです。
- 色の三原色や光の三原色などの色について
- マーブリングや破墨などの絵画などの教科書に載っている表現技法
- 教科書に掲載されている絵画名や作者名
上記の内容については、しっかり答えらえるようにしておきましょう。
また、美術史が出題されることもあります。
年表を参考に、西洋、アジア、日本の美術史についても覚えることをおすすめします。
また、美術は定期テスト時に鉛筆の表現技法やデザインなどの実技問題を課されるケースも!
今までに習った表現技法は、試験までに一通り使えるようにしておきましょう。
ペーパーテストと実技を定期テスト内で同時に行うときは、時間配分にも注意が必要です。
技術・家庭科
技術・家庭科は、授業や実習でおこなったことから問題が出されることが多い傾向にあります。
そのため、授業で使ったワークシートやプリントなどをしっかり復習しておきましょう。
難しい専門用語が多く忘れやすいため、インプットしたらしっかりアウトプットすることが大切です。
副教科の問題集を解いたり、家族に問題を出してもらい説明できるようにするなど知識をしっかり定着させましょう。
また、技術や家庭科は作品作りや課題を課されることが多い科目です。
そのため、
- 提示された締め切りに間に合うよう提出すること
- 作品や課題は丁寧に完成させること
を意識して行うことが大切ですよ。
保健・体育
保健体育は、副教科の中でも成績が上がりにくいと感じる人が多い教科です。
実際、私の息子も保健体育は長らくずっと3以上にならなくて苦労していました(-_-;)
定期テストの成績は、80後半~90点以上をキープしていたのにも関わらずです。
そのことから、保健・体育は副教科の中でも特に実技や授業態度を意識した方が良い教科だと言えるでしょう。
でもそれなら「運動が得意じゃない人は4や5を取ることができないのか」というと、実はそうでもありません。
確かに実技の技能が高いと目立つので、評価の対象になります。
でも、たとえ運動が苦手でも、うまくなろうと一生懸命取り組む姿も評価されるので安心してください。
たとえばバスケットボールなら、シュートやドリブルが下手で動きがぎこちなくても、積極的にボールをもらいにいっているか、というところを先生は見てくれています。
とはいえ先生も人間なので、スポーツがうまい生徒のいるチームに目が行きやすいのは仕方ありません。
「頑張っていたのに先生が他のところを見ていて見てくれなかった!」ということもよくあります。
そこでおすすめなのが、スポーツがうまい子と一緒のチームを組んで、一生懸命やっている姿を見せることです。
目立つチームで頑張る姿を見せることで、評価のアップにつながる可能性がありますよ。
私の長男の場合は、ソフトボールでうまい生徒がいるチームに入ったり、長距離走で早い生徒にアドバイスしてもらったりと積極性についていく姿勢を見せていたら、見事3から4に内申が上がりました(*^^*)
保健体育の成績がなかなか上がらない、と悩んでいる人はぜひ試してみてください。
対策しても成績が上がらない時は先生に聞くのも◎
もし上記の対策をしても副教科の成績が上がらない、という場合は教科の先生に直接内申点を上げるには何をしたらよいのか聞くという手もあります。
いやいや直接聞くなんてそんなことをしても良いの?と思われるかもしれませんが、全く問題ありません。
むしろ積極性を評価されて、それだけで内申点が上がったというケースもあるので、試してみて損はないと思いますよ(*^^*)
副教科の定期テスト対策ができるワークも利用してみよう
副教科は定期テストの比重がそれほど高くないとはいえ、少しでも内申アップを目指すなら定期テスト対策も重要です。
副教科の定期テスト対策ができる本は5教科に比べ少ないですが、市販でも購入できるものがあります。
以下のシリーズは実技4教科の復習やテスト対策に特化した数少ない本。
定期テスト対策にぜひ利用してみてください。
副教科の内申の上げ方を実践して高校受験のライバルに差を付けよう!
今日は高校受験における副教科の大切さや、評価基準、効果的な上げ方についてご紹介しました。
- 副教科の内申は都立高校だけでなく国私立高校の入試でも重要
- 都立高校の一般入試では副教科が2倍換算される
- 副教科の評価は定期テストよりも授業態度などの主体性が評価される傾向にある
副教科は主要教科と比べ定期テストの回数が少ないため、その分授業での積極性や技能習得度、授業態度、提出物の質や提出の有無などで評価されることが多くなります。
そのため、テスト前だけでなく普段から意識して内申対策をおこないましょう。
都立高校志望の中学3年生の方は、この1学期からが勝負。
今まで提出物や授業での主体性をおろそかにしていたという方、大丈夫です。
今からでも遅くはないので、授業や提出物で先生にアピールできるよう積極的に動くようにしましょう。
高校受験を有利に進めるためにも、まずは行動あるのみ!です(*^^*)